建物の躯体によって塗料の「向き」「不向き」があります。
高い塗料なら長持ちする!というわけではありません。
弊社ではお客様の建物にあった最適な塗料でご提案いたします。

■アクリル塗料

一番グレードの低い塗料になります。単発で見ると安いのが特徴ですが、耐久性が低いため、大体5年に1度塗り替える必要があり、
その都度足場を建てる必要があるので、長期的に見ると高くなります。そのため、現在では塗替えの際にはほとんど使われていません。
ただし、木部の付帯部(軒天)などには透湿性の高い塗料が好まれるためよく使われます。

■ウレタン塗料

最近では外壁や屋根にはほとんど使われなくなりました。但し、下地との密着性に優れていて、塗膜が柔らかいので、
今でも雨樋や破風板など付帯部に使われることはあります。

■シリコン塗料

日本の戸建て住宅で一番使われている塗料です。
価格と耐久性のバランスがよく、遮熱機能のあるものや汚れにくい高耐久性のもの、色やバリエーションも豊富です。

■ラジカル制御形塗料

塗料の白色顔料が太陽光を吸収することによって発生し、塗膜の劣化原因になるラジカルという物質の発生を制御する塗料です。
制御するために入れる物質をハルスと言うため、ハルスハイブリットやハイブリット塗料とも言われます。
まだ出てきて間もない塗料なので、シリコン塗料などと比べると、実際の建物で10年以上経過した実績はありません。
塗料メーカーも力を入れていて、今後最も注目される塗料です。

■フッ素

フッ素塗料は、塗料の耐久性を決める合成樹脂に蛍石を原料としたフッ素樹脂を使った塗料です。
・非粘着性(汚れを弾きやすい)
・耐薬品性(酸性雨に強い)
・低摩擦性(汚れが滑り落ちやすい)
・耐候性(紫外線に強い)
などの特徴があり、耐久性が非常に高い塗料になります。
ただし、サイディングの場合シーリングの上にフッ素塗料を塗るとひび割れを起こすことが多く、シーリングの上に重ねて塗ることができないため、シーリングが後うちになります。

■光触媒

塗料の白色顔料の原料である酸化チタンが、太陽光にあたると活性酸素を作り、汚れを分解し、塗膜が超親水状態という水を弾く状態になることにより、雨が降ったときに分解した汚れを洗い流す
セルフクリーニング機能を持った塗料です。また、汚れを分解する効果により除菌効果、抗カビ、防藻効果もあります。但し、土や砂などの無機質系の汚れは分解できません
しかし、圧倒的シェアの高かったTOTOのハイドロテクトカラーコートが、メーカー発表と相違があるなどトラブルが相次ぎ、2017年6月26日で生産が停止になったため現在弊社での取り扱いはございません。

■無機塗料

無機塗料は、塗料の原料に無機物を配合した塗料です。無機物とは、石やレンガ、ガラスなど炭素を含まない物質です。
有機物が限りなく少ないため、有機物顔料が原因で起こる色褪せやチョーキングなどの劣化が起こりにくく、フッ素を超える耐久性があります。また、カビや藻が発生しにくくなります。
光触媒と同じように無機物も親水性が高いため、汚れを浮かび上がらせ、雨水で洗い流す特徴があります。

塗料別の標準耐久年数と単価の目安

下記の単価は3回塗り(下塗り+中塗り+上塗り)の合計単価になります。
単価や耐久年数に幅があるのは、同じシリコン塗料でもその中でグレードの違いがあったり、各メーカーによっても違いがあるからです。
耐久年数は、あくまでも期待できる耐久年数で、塗料(塗膜)がしっかりと機能することができる年数です。建物の立地条件、環境に左右されるため絶対にこの年数まで持つわけではありません。
また、メーカーカタログの耐久年数はあくまでも屋内試験の数値になります。

グレード 耐久年数 単価 備考
アクリル 5~7年 1,400~1,600円 外壁では殆ど使わない
ウレタン 8~10年 1,700~2,200円 外壁では殆ど使わない
シリコン 5~15年 2,300~3,000円 主流。
ラジカル制御形 12~15年 2,500~3,000円 歴史が浅い
フッ素 15~20年 3,800~4,800円 高耐久!!
光触媒 15~20年 4,200~5,000円 現在使用していません
無機 20~25年 4,500~5,500円 高耐久!!

こんな業者に要注意!!

1・「長すぎる保証に注意!!」

保証期間は長いに越したことはありません。しかし、塗料によっては同じ材料でも差があります。例えば、シリコンの場合、上位グレードのシリコン塗料であれば、10~15年の耐久性があるものがありますが、一般的なグレードのシリコンの耐久性は5年~10年前後です。保証が付くかを確認した際に、安易に「長期保証が付きます!」という業者には注意してください。保証付きとはいっても経年劣化(自然に劣化したもの)はどの塗料も保証の対象外です。「経年劣化は保証対象外です」や「〇〇のような場合は保証対象外」など、正しい情報をきちんと説明してくれる業者を選択してください。

2・「この塗料は30年もちます!!」

現在、30年も耐久性のある塗料は出ていません。
高グレードのフッ素ですら20年といわれています。

3・「足場を無料にします!!」

実は、どの業者も足場は扱う部材が多く、保管コストを考えると自社で所有するのではなく下請業者にお願いしていることが殆ど。
一番コストががかかる場所でもあります。「足場を無料!!」などといった場合は必ず、塗装やその他の単価に上乗せしているはず。

4・「自社で独自に開発した塗料!だから高耐久!」

その塗料で実際に施工し、その年数経過している物件があるのか確認してみてください。
カタログ値はあくまでもカタログ値。また、その業者が倒産でもしたら、メーカー保証すらなくなります。

4・「足場込みで55万円で施工します!」

一般の戸建て住宅において、足場代込み55万はありえない金額です。
恐らく、見えない場所で手抜き工事をしている可能性が大・・・・・。
また、初期見積もり段階では55万でも必要個所を含めると結果追加工事で100万円になることも・・・。